東和透析クリニック
建築主:東和病院
用 途:診療所(新築)
場 所:東京都 足立区
共同設計:横田延幸(石栄建物株式会社)
撮 影:長谷川健太(OFP)
人工透析医療で用いられるダイアライザを顕微鏡で拡大して観察すると、そこには無数の孔があいており、この無数の孔(あな)を通じて血液が浄化され健康な流れを作ってゆく
が、クリニック外観や、室内の柱に開けられた円形の孔はこのダイアライザを1つのモチーフとしてデザインをした。通(透)すことで好い流れを生むことをこの建物の全体的なコン
セプトとしている。
外装は外壁の ALC(断熱性や施工性に優れる軽量気泡コンクリートパネル)の外側に 3mmの厚さのアルミ板直径 10 センチの孔をあけたパンチングメタルを特注で製作し、段差をつけながらストライプ状に並べて配置をしている。このパネルを施工する際のずれを1mm以内となるよう特に設置精度を管理しながら施工した。
従来は ALC 外壁の外側に外装材を設ける場合、現場にて外壁の ALC を貫通するようににボルト孔をあけて下地材を設け外装材を固定するが、今回は ALC を工場で製作する際に外装の固定金物をあらかじめ埋め込んで製作する特殊な工法を採用したため、防水性や断熱性を確保しながら、外観の意匠性を高めながら、患者や医療スタッフの快適性や安全性を両立できる建築をつくることができた。
エントランスでは患者が安心して館内に入れるよう、天井と壁が連続するような柔らかな曲線的デザインとして、水盤に流れる水と共にお迎えする。色彩計画においても白にほんの少しだけ⻩色を混ぜたものを選び、柔らかな印象を出せるように丁寧に選んで工場にて焼付塗装を施しているため、耐久性にも問題が少ない。
2階と3階の透析室および4階の談話スペースの内装にも、外装と同様のドットパターン採用して全体のデザインを整えているが、こちらはインテリアとなるため素材を木のパネルに塗装を施したものとすることで、透析治療中、治療後の患者の安心感を高められるようなものとしている。
特に 4 階の談話スペースでは、水の流れる水盤と、温かい色調の間接照明で照らされた和紙職人による手すき和紙(滝をイメージ)の壁に囲まれた空間で、木を使った家具に座って飲み物を飲みながら、透析後に送迎のバスが来るまでの時間をくつろいでいただくことができる。1階の待合ソファベンチも建築に合わせて特注するなど、造作家具にも力を注いでいる。
無数の孔に東和の風や雰囲気が通(透)りぬけることで東和透析クリニック全体がまちを浄化するフィルターとして機能し好い「流れ」を生み、地域に愛され生活の拠り所となることをクライアントと共にめざして設計、施工を行った。













